マテリアリティMATERIALITY

4つのマテリアリティ

ノーリツ鋼機グループは、ここ十数年で迎えた急速かつ急激な社会の変化に実直に向き合い、世の中から広く求められ、社会の基盤となるような事業の創出に挑戦してきました。今後、ますます深刻化していく社会課題や地球環境課題に対応し、私たちのミッションである「社会と人々に豊かさを」を具現化していくうえで必要と考える課題を4つのマテリアリティとして特定し、経営と統合したサステナビリティの推進を図っています。なお、マテリアリティの特定にあたっては、当社グループが検討すべき社会・環境課題の中から「ステークホルダーにとっての優先度」と「事業にとっての優先度」の観点から評価を行っています。

社会課題 設定の背景
01
世の中に必要とされる
ものづくりを通じて
未来を創造し、
社会と人々の豊かさへ貢献
  • 文化やコミュニティの発展
  • 健康と福祉の増進
  • イノベーションに向けた研究開発
  • 高品質で安全な製品の供給
世の中から必要とされる製品やサービスの提供を通じて豊かな未来社会の実現に貢献することは、ものづくり事業を根幹とする当社グループの創業より変わらぬ社会的使命です。高品質で安全な製品の供給に努めると同時に、人々の暮らしに新たな価値を提供するため、新技術・新製品の創出に向けた戦略的な研究開発投資を推進していきます。
02
環境・社会に配慮した
サプライチェーン体制を整備
  • 化学物質の適正な管理
  • 気候変動への対策
  • 持続可能な資源の利用
  • 人権の尊重
  • サプライチェーンマネジメントの強化
地球温暖化による気候変動は、干ばつや洪水といった異常気象の激化を引き起こし、世界中の人々の生活や多様な生態系に大きな影響を与えています。また、事業活動により影響を受ける人々の人権を尊重することは、企業の重要な責任です。当社グループが事業を継続していくうえで、気候変動に対応し、ステークホルダーの人権に配慮することは不可欠であるとの考えから、気候変動への対応策を推進すると同時に、お客様に提供する製品のライフサイクル全体を視野に入れた環境対応の取り組みを推進していきます。また、グループ横断の調達方針及び人権方針に基づき、人権を含む社会課題に配慮したサプライチェーンの整備を図っていきます。
03
一人ひとりの多様な価値観を尊重し、すべての人材が未来志向で活躍できる職場基盤の構築
  • 優秀な人材の採用と育成
  • 差別・ハラスメントの禁止と多様性の尊重
ノーリツ鋼機グループにとって、人材は持続的成長への原動力です。当社グループのミッションである「社会と人々に豊かさを」を実現していくためには、グループすべての従業員が広い視野を持ち、主体的かつ未来志向の姿勢・発想を持って邁進することが重要だと考えます。そのために、優秀な人材を確保し、その活躍を後押しする制度の整備や従業員一人ひとりの価値観や個性を尊重し、ハラスメントや差別を根絶するための取り組みの推進により、すべての人材が未来志向で職務に専心できる活力ある組織風土の醸成に努めていきます。
04
持続的成長に向けた
健全なガバナンス体制の強化
  • 透明性の高いガバナンス体制の構築
  • 腐敗防止
  • 情報セキュリティの確保
  • 感染症への対策
コーポレートガバナンスの強化は、ノーリツ鋼機グループが健全な発展を継続していくために取り組むべき重要な経営テーマです。ノーリツ鋼機では、取締役会の実効性を高め、意思決定の迅速化と透明性の高い経営体制の確立に取り組んでいきます。また、グループの持続的成長を阻む要因となるリスクについても、当社事業に関わる重要リスクを特定するとともに、それらリスクの的確な管理と影響の低減に努めます。同時に、事業継続の観点から従業員一人ひとりについてもコンプライアンスを重視した責任のある行動が求められます。当社グループのすべての役員・従業員が取るべき具体的な行動を定めた「ノーリツ鋼機グループ行動規範」の周知徹底を図ることで、コンプライアンス最優先の企業文化を構築していきます。
  • 環境
  • 社会
  • ガバナンス

マテリアリティ対応計画

マテリアリティに取り組むために、年度ごとに目標を定めた「マテリアリティ対応計画」を策定し、グループ全体で取り組みを推進しています。
対応計画は、グループのサステナビリティ推進体制のもとで進捗管理を行います。

マテリアリティ 具体的な
取り組み事項
2023年目標 2023年実績 2024年目標 参照先
事業を
通じた
社会・
人々へ

貢献
01
世の中に必要とされるものづくりを通じて未来を創造し、社会と人々の豊かさへ貢献
1
品質管理の強化、推進
品質問題に関わる顧客対応のモニタリング
  • 品質問題に関わる顧客対応のモニタリング (グループの各事業会社が設定する報告基準に基づく)
  • 年間計画に沿った品質監査の実施 (製造拠点)
  • 顧客対応のモニタリング
  • 品質監査の実施
品質管理
2
新技術と価値の創出に向けた研究開発投資
研究開発投資40億円 研究開発投資39億円
  • 研究開発投資41億円
  • KPIの設定に向けた検討
-
3
事業とつながりのある地域社会・文化発展を支援する活動の推進
事業とつながりのある地域支援、文化発展支援活動の実施 各社計画の遂行 文化・
コミュニティ
の発展支援
02
環境・社会に配慮したサプライチェーン体制を整備
4
環境に配慮した製品の供給
計画に基づく製品のライフサイクル全体を考慮した環境配慮への取り組み実行
  • 製品・梱包材に使用するバージンプラスチックの使用量削減 (テイボー、AlphaTheta、JLab)
  • 材料及び製造プロセスの見直しによる有機溶剤使用量の削減 (テイボー)
  • 省電力モード搭載製品の開発 (AlphaTheta)
  • 省エネルギー及び省資源に寄与する新しいBluetoothチップセットの開発と製品への搭載 (JLab)
  • 製品ライフサイクルを考慮した環境配慮製品の開発
  • KPIの設定に向けた検討 (プラスチック使用量の把握を含む)
製品における
環境配慮
5
温室効果ガス排出量 (Scope 1,2,3) の削減
  • 2030年までにScope1,2の温室効果ガス排出量37%削減(2019年比)
  • 温室効果ガス排出量削減計画の遂行
  • 温室効果ガス排出量削減の実行
  • Scope3の算定に着手
  • Scope3の算定 (目標の検討)
  • 2030年目標の見直し (Scope 1,2)
  • Scope 1,2削減計画の策定と遂行
  • TCFDシナリオの見直し
気候変動への
対応
6
サプライチェーン管理体制の構築とリスク低減の推進
重要仕入先への調達方針の周知 (周知率100%)
  • 重要仕入先に対する調達方針の周知率100%
  • 製造委託先に対する品質監査の仕組みを通じたサプライチェーン監査の実施
  • 人権リスク評価の実施(Tier1サプライヤーが対象)
  • 調達ガイドラインの策定
  • サプライヤーの遵守状況確認体制の構築
  • 人権デュー・ディリジェンスの推進
  • 紛争鉱物の調達実態の確認と方針策定
事業を
支える
基盤の
構築
03
一人ひとりの多様な価値観を尊重し、すべての人材が未来志向で活躍できる職場基盤の構築
7
安全で健康な職場環境の整備
健康経営の推進度合のモニタリングと、モニタリング結果を踏まえた課題対応 健康経営の推進度合のモニタリングと課題対応
  • 労働安全衛生のモニタリング (テイボー)
  • 各社に適した健康経営KPIのモニタリングと課題対応
人的資本
マネジメント
8
グループを牽引する未来志向で優秀な人材を育てるための環境整備
1人当たり年間研修受講時間 (平均22.4時間) 1人当たり年間研修受講時間 (平均18時間)
  • 1人当たり年間研修受講時間 (平均22.3時間)
  • 研修体系の整備
人的資本
マネジメント
9
多様な価値観の尊重と柔軟な働き方の推進
  • 人権研修実施件数 (年1回以上)
  • 多様で柔軟な働き方の推進度合のモニタリングと、モニタリング結果を踏まえた課題対応
  • 人権研修の実施 (すべてのグループ会社において年1回以上実施*)
  • 人権方針の改訂
  • 人権リスク評価の実施(自社)
  • 多様で柔軟な働き方の推進度合のモニタリングと課題対応
  • 人権研修の実施
  • 人権リスク評価結果のフォロー (自社)
  • 各社に適した働き方KPIのモニタリングと課題対応
04
持続的成長に向けた健全なガバナンス体制の強化
10
  • 取締役会の実効性強化
  • ステークホルダーエンゲージメントの促進
課題対応と実効性評価の継続 実効性評価の実施と課題対応
  • 実効性評価の継続と課題対応
  • 株主・投資家とのエンゲージメント機会の拡大
  • 情報開示の充実化
コーポレート
ガバナンス
11
リスク管理体制の強化とリスク対応策の推進
マテリアリティ対応計画の取り組み事項見直しにより、情報セキュリティ研修の実施目標は#12に分類
  • グループ全体及び各社に関わる諸リスクの明確化と顕在化した際の対応策を策定
  • グループ各社においてBCPに基づくシミュレーション訓練を実施
  • リスクアセスメントの実施と課題への対応策の検討、推進
  • BCPの見直しと強化
リスク
マネジメント
12
  • 行動規範に基づく倫理的な企業文化の醸成
  • ESGに関わる法令、規制等への対応
情報セキュリティ研修
実施件数 (年1回以上)
  • 情報セキュリティ研修の実施 (すべてのグループ会社において年1回以上実施*)
  • コンプライアンス研修の実施 (受講率100%*)
  • 各種方針の策定、見直し
  • 各種研修 (コンプライアンス研修、情報セキュリティ研修) の実施
  • ホットラインの運用
  • ESGに関わる法令、規制等のモニタリングと対応
コンプライアンス
  • *ノーリツ鋼機、テイボー、AlphaThetaの全役員、従業員(パート/派遣/外部委託社員を含む)が対象(泰宝、ソリトン、JLabは正規雇用従業員のみ、テイボーは長期欠席者を除いた結果)

マテリアリティ特定のプロセス

当社グループは、グループ会社や社外有識者の協力のもと、下記のプロセスでマテリアリティの特定を行いました。

STEP 01社会課題の抽出

マテリアリティの特定にあたっては、幅広いステークホルダーからの期待を的確に捉えるため、ESG開⽰ガイドラインやESG評価機関の評価項目、⾏動規範等11のサステナビリティに関する各種のグローバルスタンダードを元に、業界特有の課題の分析を行い、当社が検討すべき31項目の社会課題を抽出しました。

  • *1 GRIスタンダード、SASBスタンダード
  • *2 DJSI (RobecoSAM)、FTSE、MSCI
  • *3 SDGs、ISO26000、UNGC10原則、OECD多国籍企業行動指針
  • *4 世界経済フォーラム (WEF) “Measuring Stakeholder Capitalism”、未来共創イニシアティブ「イノベーションによる解決が期待される社会課題一覧」

STEP 02社会課題評価の実施・
優先付け

抽出された31項目の社会課題について、ステークホルダーの視点と、当社グループの事業視点で評価を行い、下記の方法で優先順位付けを実施しました。

ステークホルダー視点
自社を取り巻くステークホルダーそれぞれの視点から、社外有識者を中心に評価
当社事業視点
当社主要グループ4社による評価を基にノーリツ鋼機グループとしての評価を加え算出

これにより15項目の社会課題が選定されました。

STEP 03マテリアリティの策定

選定した15項目の社会課題を、ミッション・ビジョン・バリューやビジネスモデルに基づきグルーピングを行い、当社グループとして取り組むべき関連性の高い重点課題を整理。
社外有識者との意見交換を行い、社長含む経営陣との議論を重ね、グループとして取り組むべき重点課題を4つに統合しました。

STEP 04マテリアリティの決定・
開示

マテリアリティを概念図として取りまとめ、妥当性の検証、取締役会の承認を経て、ノーリツ鋼機グループのマテリアリティとして最終決定しました。

マテリアリティ概念図を見る